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肥大型心筋症の猫に対する新薬ラパマイシンの効果を検証する研究

投稿者:武井 昭紘

ラパマイシンは、ヒトや実験動物(齧歯類)において心臓のリモデリングを遅らせる効果を示し、肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy、HCM)の病態悪化を喰い止める薬剤の候補として注目されている物質である。しかし一方で、街中の動物病院でも比較的良く遭遇する「猫」のHCMに対して、このラパマイシンが奏効する否かは未知数で、それを判断する研究がないのが現状となっている。

そこで、カリフォルニア大学は、ラパマイシンをHCMの猫に6ヶ月間投与して、その効果を検証する研究を開始した。なお、対象となる症例は、うっ血性心不全および高血圧の兆候や慢性腎臓病の症状が認めらず、且つ、心機能を変化させる薬を服用していない個体に限られるという。また、12歳未満で、体重が7.7ポンド(約3.5kg)以上であることが条件だ。

果たして、ラパマイシンは、HCMの病態進行を阻み、うっ血性心不全、動脈血栓塞栓症、突然死などに苦しむ罹患猫とそのオーナーを救う治療薬となるか。今後の動向に注視したい。

健康な猫へのラパマイシン投与では、重大な有害事象を懸念する(この動物種には投与できないと判断する)イベントは起きていないとのことです。

 

参考ページ:

https://studypages.com/s/assessing-a-new-treatment-for-cats-with-hypertrophic-cardiomyopathy-486125/


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