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プレドニゾロンを投与された猫における糖尿病の有病率を算出した研究

投稿者:武井 昭紘

あらゆる炎症を引かせるプレドニゾロンは、非常に優れた薬剤であり、小動物臨床で様々な疾患に汎用されている。しかし、同薬剤の使用には重大な副作用が付き纏う。その代表格が、高血糖症(糖尿病)である。では果たして、この副作用はどれくらいの頻度で発生しているのだろうか。そして、副作用を生じるリスクファクターとは何であろうか。それを明らかにしようとした研究が行われた。

なお、研究を発表したヨーロッパの獣医科大学によると、高次診療施設のカルテを基に、プレドニゾロンを1.9 mg/ kg/日以上で3週間を超える期間投与された猫(140匹以上)における糖尿病の発生状況を追跡したという。すると、約10%の症例が糖尿病に陥っており、その多く(85%)がプレドニゾロン投与開始から3ヶ月以内に発症していることが判明したとのことである。

上記のことから、同薬剤を猫に使用する場合は、当初の3ヶ月が過ぎるまで血糖値をモニタリングすることが望ましいと考えられる。一方で、より低用量(1.9 mg/ kg/日以下)のプレドニゾロンを投与された猫における糖尿病の発生状況は、本研究では分からない。よって、今後、糖尿病のリスクを念頭に置くべき用量について調べる研究が進み、副作用が起きにくいプレドニゾロンの使用方法が考案されていくことに期待している。

犬でも同様の研究が行われ、プレドニゾロンの適正使用について議論されることを願います。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32716236/


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