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イギリスでは違法となる断耳術を受ける犬の増加に警戒する獣医師会

投稿者:武井 昭紘

ドーベルマン・ピンシャーやアメリカン・ブルドッグを初めとして、耳がピンと立った犬には凛々しさを感じる。しかし、忘れてはならないことがある。あの耳は、「切り落とされた」結果だということを。彼らが痛みに耐えた証だということを。それを整っていると思う美意識に、残酷な一面が潜んでいることを—–。

そのような背景の中、イギリスでは、犬の耳を切り落とす、いわゆる断耳術が禁止されている。だが、同国の虐待防止協会(RSPCA)によると、過去5年の間に、断耳術を受けた犬に関する通報の数が230%以上も増加しているとのことだ。

これを受け、イギリス獣医師会(BVA)は、ある懸念を示した。その懸念とは、SNSの影響である。近年、目覚ましく発展を遂げたSNSは爆発的な拡散力を持っており、ここを活躍の場とするインフルエンサーたちが断耳術を受けた犬の画像を投稿し、それ(耳がピンと立っている状態)を多くのヒトが「正常」と認識してしまうという。そして、この認識が、断耳術を推奨する大きな力になると、BVAは訴える。また、同会は、この裏には断耳術を受けた犬の違法輸入があると睨んでいる。断耳術が合法の国で耳を切り落とされた犬が、英国に向けて違法に輸出されていると。

個々人の美意識は制限されることなく、自由であるべきとは思う。しかし、他の誰かを犠牲にして成り立っている美意識は間違っている。例え、その誰かがヒトではなく、犬であってもだ。断耳術は必要だろうか。それなくしては、ドーベルマン・ピンシャーやアメリカン・ブルドッグたちの外観は美しくないのだろうか。改めて皆が考えてみることが重要だと、筆者は考える。

断尾術についても、同じことが言えるのではないでしょうか。

 

参考ページ:

https://www.bva.co.uk/news-and-blog/blog-article/why-an-alarming-new-trend-has-vets-saying-cut-the-crop/


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