絶対に「ならない」と断言は出来ないのだが、犬はヒトとは異なり、齲歯(虫歯)になりにくい動物である。しかし、その一方で、ヒト以上に歯周病になりやすいという特徴を「与えられて」しまっている。とは言うものの、品種によって歯周病を発症するリスクに差異があるのも、また事実だ。では果たして、どの種がどれくらい「なりやすい」のか。それを瞬時にして把握できる一覧表があれば、歯科診療も進めやすく、オーナーの歯周病に対する理解も深めやすくなるものと思われる。
そのような背景の中、動物栄養学を追究するウォルサム研究所とアメリカで大規模に動物病院を展開するバンフィールドグループは、歯周病になりやすい人気犬種が一目で分かるリスクチェッカーをオンラインで公開している。なお、同チェッカーは、超小型~超大型まで様々なサイズの48品種のイラストを低リスクの場合は黄色に近く、高リスクの場合は赤に近い色で塗り分けており、それぞれの品種における歯周病のリスクが視覚的に認識できるシステムになっている。
2月は、ペットの歯の健康を考える啓蒙月間「Pet Dental Health Month」に指定されている。読者の皆様が診察を担当する数多くの犬たちの歯は、健康かつ衛生的に保たれているだろうか。あるいは、歯周病に陥ってしまっているだろうか。そして、両者の割合は、リスクチェッカーと一致しているだろうか。この啓蒙月間を機に、改めて犬が抱えている歯周病のリスクを考えて欲しい。
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