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前十字靭帯が断裂した犬の関節内におけるルブリシン濃度を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

ルブリシンというタンパク質が注目を浴びている。なぜなら、整形外科疾患に伴って関節内で濃度が上昇すると言われているからだ。しかし、実際のところ、齧歯類、馬、ヒトの研究で統一した見解は得られていない。果たして、犬において両者はどのように関連しているのだろうか。その解明は、獣医学の発展に繋がることなのかも知れない。

そのような背景の中、アメリカのコーネル大学は、前十字靭帯が断裂した犬30匹を対象にして、関節内のルブリシン濃度を測定する研究を行った。すると、罹患犬の関節では、ルブリシンが増加していることが判明したという。また、一部の症例では、X線検査で確認できる関節炎が起きる前から、同濃度は上昇することが分かったそうだ。

これを受け、大学は、ルブリシンは関節疾患を診断に導くバイオマーカーになり得ると期待を寄せている。よって、今後、関節内ルブリシン濃度の測定の有用性が大規模な臨床試験にて検証され、同測定法が商業化されていくことを願っている。

猫の関節疾患においても、同様の研究が進んでいくことを期待しております。

 

参考ページ:

https://www.avma.org/javma-news/2020-12-15/canine-study-challenges-assumptions-about-joint-disease


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