遺伝、加齢、外傷、過体重・肥満などの原因によって起きる変性性関節症(osteoarthritis、OA)は、罹患犬に慢性的な疼痛を与えることが知られている。故に、彼らが抱えているOAの状態を正確に把握することは重要であり、その状態に応じて治療方針を決定することが理想的だと思われる。そこで、必要となるものがステージング(病期分類)だ。
冒頭のような背景の中、関節炎に対する消炎鎮痛効果を発揮するガリプラントを販売しているエランコ社は、OAをステージングする診断ツールをオンライン上に公開している。なお、同ツールは、自宅での様子(オーナーの意見)や臨床検査所見(獣医師の見解)を4段階で評価し、それらを用いてOAのステージを0~4(臨床的な問題は無し~重度まで)に振り分けるシステムになっている。
仮に、このツールがOAを発症した犬の苦しみを具に反映しているとするならば、ステージに合せた治療方針の決定が可能になると考えられる。よって、今後、COASTによるステージングと罹患犬のQOLとの関連性を調べる研究が進むことを期待している。
参考ページ:
https://www.galliprantvet.com/us/en/coast-tools