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フードの給餌回数と猫の体内で起きている生理的現象の関連を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

1日1回。2回、3回、それ以上。愛するペットにフードを与える回数は、オーナーの考え方によって違うだろう。無論、その子の性格、食欲、活動量に抱えている病気の有無でも、回数は変化するものと推察する。では、果たして、理想的な給餌回数とは一体いくつであるのか。様々な視点から検証し、その答えを追い求めていくことは、彼らの健康を管理する方法を向上させるために重要なことである。

 

冒頭のような背景の中、カナダの大学らは、健康な猫を対象にして、給餌回数と代謝の関連性を調べる研究を行った。なお、同研究では、BCSが4から7未満(9段階評価)の個体に市販の成猫用フードが①1日1回または②4回で3週間与えられており、いずれの給餌回数でも同じ摂取カロリーになるように調整されている。すると、以下に示す事項が明らかになったとのことである。

◆給餌回数と猫の代謝◆
・給餌回数は体重の変化に影響しない
・②ではインスリン分泌を促すGLP-1とGIPの血漿中濃度が低下する
・①ではインスリンとグレリン血漿中濃度が増加する
・①では呼吸商が小さくなる(脂肪が燃焼している)
注:グレリンは肥満の個体で低下する

 

上記のことから、②よりも①の方がインスリンの分泌が良好で、脂肪が効率良く消費されることが分かる。つまり、猫は、食餌回数が少ない方が健康で居られるということなのではないだろうか。よって、今後、給餌回数が1日2回および3回における猫の代謝も解析され、最も理想的な食餌の回数が決定されることを期待している。

肥満の猫、既に糖尿病になった猫についても同様の研究が進められると、新しい見解が得られるかも知れません。

 

参考ページ:

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0238522


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