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25000件の去勢・不妊手術を実施したアメリカのモバイルクリニック

投稿者:武井 昭紘

モバイルクリニック。日本語に訳すと、移動型動物病院。日本の約26倍の国土を有する広大なアメリカでは、このタイプの病院が活躍している。以前、紹介したもので言うならば、犬インフルエンザウイルス感染症を診療対象とした「それ」が挙げられるだろうか。そして、今回、また別の形で社会に貢献しているモバイルクリニックについて、本稿で触れたい。

それは、カンザス州立大学に所属する獣医学部生が運営するモバイルクリニックだ。2015年5月9日に導入してから5年と半年が経った現在、このクリニックは、ある節目を迎えた。膨大な数の、オーナーが居ない犬や猫の去勢・不妊手術をやり遂げたのだ。実に25000件。マンハッタン(カンザス州)から2時間以内で迎える範囲にある26の保護施設を巡回したという。しかも、無料で。学生の行動力には驚かされるばかりである。

このようなシステムは、日本において需要があるだろうか。保護施設は地元の獣医師ボランティアが支えているとしたら、例えば、一般家庭での多頭飼育崩壊を防ぐように、住宅街を巡回するのはどうであろうか。もうこれ以上、過酷な飼育環境で暮らす犬や猫を増やさないために、今後、本国でもモバイルクリニックが活躍する日が訪れることを願っている。

(画像はイメージです)
大学は、モバイルクリニックでの経験が学生のキャリアに良い影響を与えることを願っているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.k-state.edu/media/newsreleases/2020-11/mobile-surgery-milestone111720.html


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