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滑脳症を起こしたシー・ズーに関する世界初の症例報告

投稿者:武井 昭紘

4匹のシー・ズー。

彼らが抱える群発発作は、抗てんかん薬で治まった。しかし、散発的におきる単回の発作は継続して起きる。そして、神経系疾患を疑う行動変化、斜視、失明を呈している個体も居る。果たして、このような症状を認めるシー・ズーたちに一体何が起こっているのだろうか。原因を突き止めるために、ブラジルのサンパウロ州立大学にて診察が行われた。

すると、神経学的検査において、前脳のトラブルが示唆されたという。加えて、MRI検査では、灰白質の肥厚や水頭症などを伴った滑脳症の存在が確認されたとのことである。

 

滑脳症。
それは、大脳表面の立体構造を作り出す脳回が少ない(あるいは無い)状態のことだ。同大学によると、この疾患が起きたシー・ズーの報告は初めてだという。よって、もし仮に、今回紹介した症例に類似した症状を呈するシー・ズーに遭遇した場合は、滑脳症の可能性を考慮し、オーナーにMRI検査を勧めることが望ましいと思われる。

本症例では、代謝性および炎症性疾患が除外されているとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32563254/


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