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血液1滴から イヌのがん早期発見 静岡で研究進む

投稿者:AsaT

人と動物の医療技術を相互に高め合う研究を進める一般社団法人「ヒトと動物の臨床研究情報センター」(長泉町)は、1滴の血液からイヌのがんを発見する検査手法の研究に取り組んでいる。

記事によると、ヒトのがん検診でも有用性が示された「マイクロRNA」という血液中の分子を解析する方法で、動物医療の分野では先進的な取り組み。しかし、費用の壁が立ちはだかり、25日までクラウドファンディングで研究費を募っているそうだ。

センターの伊藤博代表理事によると、イヌの死因の第1位は「がん」で、人間の5~7倍の速さで年を取るイヌはがんの進行も早い。症状が現れて来院した時には、末期状態であることも少なくないという。

また、ペットの医療費は飼い主の自己負担であることも要因に挙げる。従来の診断方法であるCTやエコーを使った画像診断は高額で、イヌががんの定期検診を受ける習慣が薄いという問題がある。センターが取り組む「血液検査」での実用化が進めば、比較的安価で手軽に毎年の狂犬病の予防接種などと一緒に対応することができる。

センターは2016年から研究に着手し、北里大や東京大など全国の大学や民間動物病院間の協力で、11月現在1000以上の血液サンプルを集めた。その結果、がんにかかったイヌの血液と正常な血液では、マイクロRNAの種類や量に違いがあることが分かった。現状では悪性リンパ腫や肝臓がんなど5種類のがんを診断する道筋がたった。

動物病院で気軽にがん検診が行えれば、早期発見や予防が可能になり、イヌはより健康に暮らすことができる。動物病院でのがん検診が早期にできるようになることに期待したい。

今後は診断できるがんを10種類ほどまで増やすとともに、検査の精度を上げていく予定。クラウドファンディングの目標金額は2千万円で現在集まっているのは2割ほどという。伊藤代表理事は「1滴の血液からがんが分かれば、イヌが寿命をより元気に全うできる」と意気込む。


https://www.at-s.com/news/article/health/shizuoka/843435.html

<2020/12/19 静岡新聞>

https://readyfor.jp/projects/hacric/comments

<ヒトと動物の臨床研究情報センター クラウドファンディングページ>

血液1滴から イヌのがん早期発見 静岡で研究進む(写真と記事は関係ありません PhotoAC)

 

 

 


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