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両側の肺葉が捻転を起こした世界初の猫の症例

投稿者:武井 昭紘

カナダはカルガリーに拠点を構える動物病院。
そこに、13歳の猫(不妊雌)が訪れた。
主訴は、呼吸促迫。
聴診では、左側胸部の肺音が弱くなっていたという。
そして、画像診断(超音波検査、CT検査)を行ったところ、この猫は世界初の症例であることが判明したとのことである。

具体的には、左右の肺を構成する肺葉の一部が捻じれていた。
両側性の肺葉捻転である。
しかも、病態としては、感染や腫瘍性疾患は否定されている。

 

『これまでに報告されたことはない。』
論文の著者は述べる。

 

猫の肺葉捻転は稀な疾患かも知れないが、実際に発生することが同症例から分かる。よって、今後、当該疾患に関する疫学(有病率を含む)を調べる研究が進み、猫の呼吸器診療がアップデートされることを期待している。

症例の猫は、合併症を起こすことなく回復したとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32020935/


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