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オーストラリアにおける猫を飼育する環境と彼らが抱える病気に関する調査

投稿者:武井 昭紘

猫は、「環境に慣れる動物」だと言われることがある。つまり、それだけ彼らにとって、飼育される環境は大変に重要なものなのだろう。では、果たして、その環境が与える福祉上の影響とは、どんなものであろうか。世界各地にて猫の飼育環境をより良いものにするために、それを明らかにして啓蒙することは、昔も今も獣医学の課題となっている。

 

前述ような背景の中、イギリスの大学とオーストラリアの動物病院らは、オーストラリアで飼育されている猫を対象にして、彼らの置かれている環境と、その下で起きる福祉上の問題について明らかにする研究を行った。なお、同研究では、12000名を超えるオーナーからオンラインにてアンケートを採っている。すると、以下に示す事項が判明したとのことである。

◆奥州における猫の飼育環境と福祉上の問題◆
・約45%の世帯が単独、約55%が多頭飼育であった
・1世帯あたり平均2匹飼育している
・46%が完全室内飼育であった
・52%が外に行ける状況で室内飼育をしている
・2%が室外飼育をしている
・約60%がドライフードを使用している
・野生動物に近い捕食行動を促す給餌をしている世帯は殆ど無かった
・約17%が血尿や尿閉を経験している
・約20%で不適切な排尿が起きている
・排尿トラブルは、トイレの数(少ない)、素材(クリスタルタイプ)、トイレの清掃頻度(少ない)と関連している

 

上記のことから、猫の飼育において、トイレの管理と排尿トラブルが密接に関わっていることが窺える。よって、尿路系疾患が増える「これから」の寒い季節では、その管理方法について、獣医師がオーナーに啓蒙する必要があると考えられる。

本研究では、トイレの管理に関するアドバイスは動物病院から得ているという事実も分かっております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31841057/


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