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犬・猫用低エネルギー食のダイエット効果を数値化した研究

投稿者:武井 昭紘

以前に紹介したリバプール大学の研究によると、運動による減量プログラムよりも、食餌管理によるそれの方が、犬の体重を減少させる効果が高いという。つまり、カロリー摂取量を制限した方が、愛犬の体重を効率良くコントロールできるということだ。では、実際、リリースされている低エネルギー食の給与は、どれくらいの確率でペットの体重減少を実現させるのか。製品の改良、ペットたちの健康維持、そして、肥満という病気を撲滅する予防医療の発展のために、それ(確率)を明らかにすることは大変に有意義であると思われる。

そのような背景の中、リバプール大学およびロイヤルカナン社は、過体重の犬猫に低エネルギー食(理想体重における必要摂取カロリーの80%に制限したもの)を8週間給餌して、そのダイエット効果を数値化する研究を行った。すると、犬の84%、猫の100%において、給餌開始時の体重が約5~6%減少することが確認されたとのことである。

上記のことから、低エネルギー食は、殆どの犬猫にダイエット効果を齎すことが窺える。よって、今後、体重が減少しなかった犬の特徴を解析し、その要因を突き止める研究が進められ、給与されたペットが「確実に」減量できる食餌管理法の考案、あるいは、「確実に」減量できるペットフードの開発がなされることに期待している。

本研究で使用された低エネルギー食は、National Research Councilが設定する必須栄養素の含有量の基準を一部下回りましたが、全ての犬猫で栄養不足の兆候は認められなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32388022/


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