フィプロニル。
それは、犬猫に使用するノミ駆除(予防)薬として非常に有名なフロントライン(日本全薬工業)などに含まれる主成分である。故に、おそらくは、同製品にお世話になっている獣医師やペットオーナーは、数えきれない程に居るだろう。しかし、その使用には注意を払った方が良いと思われる調査が報告されたようだ—–。
なお、報告を上げたイギリスおよびオーストラリアの大学らによると、英国全土で飼育されている犬猫におけるノミ駆除薬の使用状況とノミの寄生実態を調査したところ、対象となった犬の35%、猫の24%にノミ駆除薬が適応されており、最も使用された製品の主成分はフィプロニルであったとのことである。そして、もう一つの事実が発覚したという。フィプロニルベースの製品を使った犬の62%、猫の45%にノミが付いていたという事実が。
駆除薬の不適切な取り扱いによってもノミが残ってしまうことは否定しないが、本調査の結果は、フィプロニルの有効性に疑問符が付くものなっているとも捉えることが出来るのではないだろうか。つまり、イギリスでは、フィプロニルが効かないノミが増えているということなのかも知れない。この調査は2018年に行われた。果たして、2020年現在、その実態は、どのように変化しているのか。今後、追加調査が計画されていくことに期待したい。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32697393/