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動物虐待の証拠を犬の被毛検査で突き止めるための顕微鏡学的研究

投稿者:武井 昭紘

2017年8月29日。
さいたま市は見沼区御蔵に住む税理士が、動物愛護法違反の容疑で警視庁に逮捕された。容疑は、捕獲器に閉じ込めた猫に熱湯をかけ、ガスバーナーを浴びせたというものである。当時を想像もしたくないが、虐待現場は、実に凄惨であったものと推察する。そして、このような熱源を使用した虐待は、イギリスでも問題視されているようなのだ—–。

 

そのような中、英国のある大学が、冒頭に記した「熱源を使用した虐待」を検挙するべく、電子レンジで加温された犬の被毛を顕微鏡学的に観察し、その所見を以下のような研究を発表した。

◆熱源を使用した動物虐待を突き止める被毛検査◆
・レンジの温度は50~350℃、加温時間は15~300秒の間で調整された
・温度が高い程、加温時間が長い程、被毛の損傷が大きい
・加温された被毛は、毛根や毛幹に変色およびバブリングが起きる

 

上記のことから、被毛を顕微鏡で観察すると、熱源を使用した虐待の証拠を掴むことが出来るものと考えられる。よって、今後、電子レンジ以外の熱源による被毛の構造的変化についても調査されるとともに、本研究で確認された所見がデータ化され、虐待に苦しむ動物たちを救う被毛検査が確立されることに期待している。

本研究では、一般の動物病院に普及している光学顕微鏡で分かる所見を解析するAIやアプリケーションが開発されると、高い客観性を持って、動物虐待を証明できるようになるかも知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32473524


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