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オランダ 動物専用の救急車「動物と人間は同じ」

投稿者:AsaT

日本ではペットを大切な家族として室内で飼育する人が増えたが、夜間や休日に病院が必要な場合、地域によっては頼る動物病院がない場合も多い。オランダではそんな心配がなく、人と同様に動物も救急態勢が整備されているそうだ。

記事によると、オランダでは急病になった動物を搬送する専用の救急車や治療などを行う保護施設が全国で普及しており、小鳥1羽であっても救急車が出動する。人が利用する救急車と異なるのは、サイレンを鳴らして赤信号を通過することはできないそうだ。

搬送後の動物達は必要に応じて応急処置を施した後、治療ができる保護施設や動物病院に運び込まれる。保護施設は犬、猫、ウサギなどのペットだけではなく、馬や牛などの家畜、野生動物も受け入れ、大型家畜を運ぶための大型動物の運送用トレーラーを引きながら現場に向かう救急車もあるそうだ。

搬送される動物の多くは野生動物で、ハトやカラス、白鳥などの鳥類が多数を占めている。自動車事故に遭いやすいキツネやアナグマ、ハリネズミ、そしてシカも運び込まれる。獣医師や動物看護師アシスタントなどが治療に当たり、動物専門の整体師もいるという。けがの手当だけでなく、傷が癒えた後のリハビリにも対応するためだ。

動物専用救急車と保護施設の運営に掛かる費用は、ほぼ100%が寄付によって賄われており、寄付は一般の人に加え、オランダを代表する大企業も積極的にしている。動物の命を大事にするオランダの国民性が関係しているのだ。

なぜこんなにも動物に手厚い態勢ができているのかというと、1992年9月に「動物の健康と福祉に関する法律の第36条」が施行され、「人間は動物の世話や看病、救助を提供する義務を担っている」と記されており、オランダ人は動物を人間と同等と見なしているという。

オランダでは原則として殺処分される動物はおらず、ペットショップでは犬猫などの販売は行われない。犬や猫などを飼いたい人は厳しい審査を経た後に保護施設から譲り受けることになっており、動物の救命に携わる人は尊敬の対象となっている。

「将来、何になりたい?」かオランダの小学生にそんな質問をすると、多くの子どもたちが「動物の救急」と答える。単に、動物が好きなだけでなく「命を助けたい」と強く希望しているようだ。

 言葉が話せない動物は、けがを負ったり病気になったとしても人間に訴えることができない。したがって、人間のほうから率先して救いの手を差し伸べるべきだ―。


https://www.47news.jp/news/5259014.html

<2020/09/15 47NEWS>

オランダ 動物専用の救急車「動物と人間は同じ」(写真:photoAC)

 

 

 

 

 

 


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