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猫のフィラリア症に関する重要な6つのポイントを明示したイラスト

投稿者:武井 昭紘

猫とペットライフを共にするオーナー。
猫を診療対象とする動物病院のスタッフ。
オーナーの居ない猫と向き合う保護施設の皆様。

猫と関わりのある方々の中にはご存知のヒトもおられると思うが、「猫もフィラリアに感染する」のである。しかし、その実態は、犬のフィラリア症と異なる点が幾つか存在している。そして、残念ながら、この相違点は一般に広く認識されているとは言い難いのだ。そこで、本稿では、フィラリア予防のガイドラインを提唱している米国糸状虫学会(American Heartworm Society、AHS)のツイートを紹介しつつ、「猫」のフィラリア症において知っておくべきポイントを列挙したいと思う。詳細は以下の通りである。

 

◆AHSが発信した猫のフィラリア症に関する情報◆
・猫のフィラリア症に対して、承認されている治療法は無い⓪
・僅か①匹のフィラリア成虫の寄生で、猫は死ぬ
・②つの飼育環境(完全室内、室内外の出入り自由)どちらでも、猫はフィラリアに感染する
・感染から③ヶ月もの間、猫は呼吸器症状を呈する
・猫の体内で④年間、フィラリアは生き続ける
・飼育されている猫の⑤%にしか、通年のフィラリア予防が実施されていない

 

⓪~⑤の数字とともに発信される上記6つの情報は、猫のフィラリア予防を推進するにあたり、大変に重要なことだと筆者は考える。新人獣医師を含めて、読者の皆様は、この6つのポイントを知っていただろうか。また、殆どの猫が通年のフィラリア予防を受けていない現状の中で、有効な治療法は無く、1匹のフィラリアで猫は致死的経過を辿ることに、一体、何を思うだろうか。そして、猫のフィラリア症は、「予防が大切」だと感じてくれただろうか。このAHSのツイートが、フィラリア症に苦しむ猫を1匹でも多く減らしていくような影響力を発揮することを願っている。

ペットのフィラリア症に関する情報を更に知りたい方は、AHSのツイッターアカウントをフォローしてみて下さい。

 

参考ツイート:

twitter.com/AHS_Think12/status/1291826624934092802


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