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緑内障の発症予測~犬が緑内障を発症するまでの眼の変化を追跡するトライアル~

投稿者:武井 昭紘

緑内障。それは、眼の中の圧力(眼圧)が病的に上昇する病気である。そして、この疾患を患った個体は、最終的に、高眼圧によって視神経が障害を受けて、失明に至る。故に、早期発見・早期治療が大変に重要であるとされているのだ。しかし、現在の獣医療では、眼圧測定以外に、緑内障を確定診断できる方法が無い。つまり、健康であった眼が緑内障に陥る過程、言い換えると、眼圧が上昇する前の「経時的な変化」を認識する術が確立されていないのである。

そのような背景の中、ノースカロライナ州立大学は、緑内障に罹患した犬と眼科疾患を持たない犬を対象にして、「経時的な変化」を捉えるトライアルを開始した。なお、同トライアルで募集する緑内障症例は、過去2ヶ月において、片眼に原発閉塞隅角緑内障(primary angle closure glaucoma、PACG)を発症した個体だとのこと。また、同時に、対照群(18ヶ月間以上の経過観察)として、眼科疾患を持たない犬の応募も歓迎しているという。

果たして、遠くない未来に緑内障を生じる眼に起きているかも知れない「経時的な変化」とは、何か。今回紹介したトライアルで、その全容が解明され、光を失う犬が1匹でも減るような眼科検査が確立することを願っている。

眼科疾患を持たない犬は、予防薬以外の薬剤を投与されていないことが募集条件だとのことです。

 

参考ページ:

https://drive.google.com/file/d/18g0SzO0OoJc8gN5Ajys-9s6Mle2FHjGm/view

https://drive.google.com/file/d/1YlD_2J3q_bztWRK7FH4-TDYSpDXv5e_Y/view


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