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単一のRGB-Dカメラを用いた犬の跛行診断テクノロジーの開発

投稿者:武井 昭紘

RGB-Dカメラ。
これは、400nm〜800nmの波長を有する可視光を色(デジタルカラー)で表現するRGB画像に、被写体とセンサーの距離をデータ化する機能が付随したカメラである。そして、このシステムは、ロボットが障害物を立体的に認識したり、ヒトの動きを3次元的に記録する上で、非常に有用であるというのだ。

だとすれば、
『RGB-Dカメラは、動物の動きも具に捉えることがきでるのではないか?』
という期待を抱くことも出来る。

 

そこで、バース大学は、このRGB-Dカメラを用いて、犬の跛行診断を実現する技術を開発した。なお、同技術では、一つのカメラで被写体を撮影すればデータが得られるとのことで、従来の犬の動きをデータ化する手法、つまり、犬に特殊なモーションキャプチャスーツを着せて、複数のカメラで撮影するといった煩雑な作業を省くことができるとのことである。

 

犬の跛行は、小動物臨床で最も良く遭遇する疾患の一つだ。しかし、その跛行をカルテに記載すると、診察を担当した獣医師の主観と客観的な臨床検査所見が「文字」で表現されていることが多い。それを数字に置き換え、客観性を高めてくれるのが、単一のRGB-Dカメラを用いた跛行診断法だと思われる。よって、今後、バース大学が開発した跛行診断テクノロジーが、一般の動物病院でも実践できるように商業化されていくことに期待している。

(画像はイメージです)
RGB-Dカメラによる跛行診断が獣医師の肉眼では判断に困る症例の跛行を詳らかにし、多くの犬のQOLが改善する未来が訪れることを願っています。

 

参考ページ:

https://www.bath.ac.uk/announcements/digitise-your-dog-into-a-computer-game/


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