ニュース

蚊の羽ばたきとその体内にいるフィラリア感染子虫数との関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

ブーン、ブーン。

梅雨が過ぎ、本格的な夏を迎え、気温が高くなってきた。この時期になると、ふとした瞬間に、蚊の羽音が聞えてくることも多い。そこで、疑問が浮かぶのだ。小動物臨床に携わる身として、職業病とも言えるかもしれないが、自分の周りを飛ぶ蚊の中でフィラリアに寄生された個体は居るのだろうか。
そして、その個体を見分けることは出来るのだろうか—–。

 

この疑問に答えを出そうとしたのが、オーバーン大学である。なお、同大学によると、蚊の羽ばたき(1600サンプル以上)をiPhoneに録音して、①犬糸状虫に寄生されている蚊と②されていない蚊の羽音の違いを音響解析したところ、蚊の体内に居るL3幼虫(感染子虫)が増えれば増えるほど、その個体の羽ばたきが減少していくことが判明したとのことである。

上記のことから、①と②の羽音は異なることが窺える。よって、今後、この研究データを基にして、飼育環境に存在する①の数を把握し、愛犬・愛猫がフィラリアに感染するリスクを数値化するシステムが考案されていくことを期待している。

今回紹介した研究では、羽ばたきを録音した蚊を解剖し、体内に居るフィラリア幼虫の数を観察したとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32512421/


コメントする