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アメリカの獣医師が考えるフィラリア症の犬が増加する要因トップ3

投稿者:武井 昭紘

フィラリア予防のガイドラインを提唱している米国糸状虫学会(American Heartworm Society、AHS)がウェブサイト上に公開しているインシデントマップによると、一つの動物病院に訪れるペットのフィラリア症例の数(2019年)は、約20年前と比べて、目を見張るほどに増加していることが窺える。この厳しい結果を見るにつけ、筆者の頭の中には、フィラリアに循環器や呼吸器症状を患って亡くなる犬や猫が増えているのかという思いが浮かび、心が苦しくなるばかりである。果たして、このペットのフィラリア症が増えてしまった原因とは、一体、何なのか。様々なアプローチによって解明していくことは、これからの獣医学が抱える課題なのではないだろうか。

 

前述のような背景の中、AHSは、当該疾患の症例数が増えた動物病院に勤める獣医師を対象に、その原因について訊ねる調査を行った。すると、彼らの主な回答は、以下に示す3つであったとのことである。

◆自院においてペットのフィラリア症が増えた理由◆
①フィラリアに感染した犬が他地域から移動してきている
②フィラリア予防薬の投与に失敗しているオーナーが居る
③異常気象が蚊を増やしている

 

上記のことを受け、読者の皆様は、国は違えど、どのように感じるだろうか。①と②に対する対策を講じることで、アメリカ国内におけるペットのフィラリア症の拡大は防ぐことができると考えるだろうか。今後、これらの「理由」の真偽が解明され、フィラリア症で苦しむ動物たちが、1匹でも多く救われることを願っている。

同様の調査が本国でも実施されると、アメリカと日本のフィラリア予防の実状が比較できるかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.heartwormsociety.org/veterinary-resources/incidence-maps

twitter.com/AHS_Think12/status/1278357909336920064


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