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椎間板ヘルニアに対する手術を受けた犬におけるレーザー治療の効果を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

知人から聞いた話にはなるが、関節に痛みや違和感がある時、特殊なレーザーを患部に照射すると、その痛みや違和感が和らぐという。つまり、レーザーには、神経系疾患および整形外科疾患を治癒させたり、これらの症状を軽減する効果があると言えるのだ。そこで、ふと疑問に思う。

『このレーザー治療は、動物にも効き目があるのだろうか?』

 

イタリアの大学および動物病院らは、ここに一つの回答を用意するかの如く、ある研究を行った。それは、胸腰部の椎間板ヘルニアに対する手術を受けた犬におけるレーザー治療の有用性を検証する研究である。結果は、①コントロール群と比べて、②レーザー治療群では、脊髄損傷のレベルを測るModified Frankel Score(リンク先の参考文献をご参照下さい)が有意に改善し、②の全例が3以上のスコアをマークしたという。

 

大学らは、述べる。『レーザー治療には、椎間板ヘルニアに対する手術後の神経学的な経過を良好に向かわせる力がある』と。よって、レーザー治療に疑問符を抱く獣医師は多いかと察するが、術後経過が芳しくない症例を担当している場合は、その力を試してみることを検討して頂けると幸いである。

歩行が出来るようになるまでに要する時間は、①と②では有意差はなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32334585


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