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COVID-19のパンデミックによる財政難に陥った獣医療関係者をサポートする支援金

投稿者:武井 昭紘

6月1日現在。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患したヒトは、6,057,853名。
この感染症によって死亡したヒトは、371,166名。
今もなお、パンデミックは続いている。
故に、世界各地の動物病院は、院内クラスターの発生を未然に防ぐがため、オンライン診療の導入、外来の受付と待合室に出入りするヒトの制限など、コロナ禍以前の診療体制を見直すことを強いられたという。

となれば、必然的に、
「業務量を抑えた動物病院の人員も絞られる」ということになる。

 

このように発想したAmerican Veterinary Medical Foundation(AVMF)という獣医療・獣医学を支援する財団は、動物医薬品メーカーZoetis社、ペットフードメーカーHill’s Pet Nutrition社、そして、米国獣医看護師全国協会(National Association of Veterinary Technicians in America、NAVTA)からの資金提供を受けて、収入が減少した獣医療関係者に助成金を交付する基金を設立した。なお、3つの組織から集まった資金は20万ドル(約2150万円)で、対象者1人につき500ドル(約54000円)が支給される予定だとのことである。

 

アメリカにおける失業率は14%、失業保険の申請件数は4000万件を超えたと言われている。
果たして、その中に、獣医療関係者はどれ程いるのだろうか。
AVMFの基金が、貴重な人材の損失を僅かでも喰い止めるように機能していくことを願うばかりだ。

第2波、第3波に怯える日本でも、AVMFの活動をモデルにした基金が設立され、全国で働く獣医療関係者を支援する仕組みが構築されていくことに期待します。

 

参考ページ:

https://www.avma.org/javma-news/funds-raise-money-veterinary-technicians-assistants


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