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眠っている愛犬の呼吸数をカウントするアプリケーションと使用用途

投稿者:武井 昭紘

犬によく起きる粘液腫様変性を伴った僧帽弁疾患(myxomatous mitral valve disease、MMVD)に関する研究EPIC studyによると、罹患個体がうっ血性心不全(congestive heart failure、CHF)を発症する直前には、心拍数、呼吸数、VHSが増加し、体温と体重が低下するという。つまり、これらの項目を具にモニタリングすることが、CHFに陥るタイミングを把握するために重要であると言えるのだ。しかし、オーナーの自宅で多くの時間を過ごす犬の心拍数、呼吸数、体温、体重を「診察以外」の時にチェックすることは、飼育世帯の様々な事情によって困難な場合もあるのが現状である。

そこで、イングランドはノースサンプトンシャー州トゥセスターに拠点を構えて動物医薬品を開発・販売するVetoquinol社は、オーナーがモニタリングに参加できるようにするため、犬の呼吸数をカウントする簡易式アプリsleeping respiratory rate (SRR) trackerをリリースしている。なお、同アプリは、眠っている犬の呼吸に合せて30秒間、ハート型のボタンを押す仕様で、そのデータを基に呼吸数を自動計算するシステムとなっている。

上記のことから、犬がCHFに陥るタイミングをリアルタイムで把握するためには、オーナー参加型のモニタリングが実現できるようなアプリのリリースが大きなカギになるものと思われる。よって、今後、犬にストレスを与えることなく、彼らの心拍数、呼吸数、体温を日々チェックできるアプリが数多く開発されることを願っている。

犬の呼吸数の増加率を基に、CHF発症リスクを数値算出して表示するアプリの開発も期待しております。

 

参考ページ:

https://www.uplife.uk/srr


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