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膀胱に発生する癌を犬どうしが「お互い」に発見するための研究

投稿者:武井 昭紘

犬には、未知と言うべきか、ヒトには無いと言うべきか、特殊な能力が存在している。
その良い例が、「探知犬」である。

肺癌探知犬
乳がん探知犬
マラリア探知犬
てんかん探知犬

本サイトで紹介しただけでも、多くのヒトが可能性を感じるであろう、これだけの「何かを探す」能力がある。そして、この度、また新たにその能力を見付ける研究が始まった。

 

なお、それは、ロンドンの北西に位置するミルトン・ケインズに拠点を置き、秀でた嗅覚でヒトの病気を認識する犬を育てるMedical Detection Dogsという組織が発表したもので、探知犬が、尿サンプルの臭いを嗅いで、「犬」の尿路に発生する移行上皮癌(Transitional Cell Carcinoma、TCC)を発見できるように訓練することが目的だというのだ。

同組織は述べる。
現在の獣医療では、TCCと確定診断を下すためには、腫瘍細胞の播種のリスクを覚悟して尿路に針を刺すか、ある程度の医療費負担をオーナーに強いて侵襲的に尿路から採材するか、そのどちらかであり、安全(非侵襲的)で、且つ、簡便な手法は無いと。

 

今回紹介した研究が成功を収めれば、探知犬が尿の臭いを嗅ぐだけで、つまりは、安全で簡単に、犬のTCCを高い確率で診断する方法が完成するかも知れない。よって、今後の研究の動向に注視するとともに、近い将来、探知犬が担癌犬を助ける、犬どうしが癌を見付け合う互助システムが実用化までに至ることを願っている。

TCC探知犬としての能力を持った犬を保護施設から見つけ出すプロジェクトも進行すると、世界各国で保護犬の殺処分ゼロを達成できるかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.medicaldetectiondogs.org.uk/can-dogs-sniff-cancer-in-each-other/


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