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ウサギのBUNを専用の試験紙で測定して「その有用性」を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

以前、本サイトにて紹介したある研究によると、食欲不振を呈したウサギの予後、言い換えば、「生きるか死ぬか」を左右するファクターの一つに、血清中BUN濃度の上昇が挙げられるという。つまり、何らかのストレスや体調不良が食欲不振という臨床症状に置き換わりやすいウサギの診療において、血清中BUN濃度の測定は大変に重要な意味を持っていると考えられるのだ。

そのような背景の中、カンザス州立大学およびグエルフ大学は、尿検査で汎用されている試験紙と同じ仕組みで血清中BUN濃度が評価できるテストストリップを用いて、ウサギの血液中のBUNを検出(①)し、生化学検査の結果(②)と比較する研究を行った。すると、研究に参加したウサギの血液65検体のうち、①および②が一致する割合は71%(感度92%、特異度79%)となることが判明したとのことである。

上記のことから、特異度が改善されれば、テストストリップによるウサギの血清中BUN濃度の推定を小動物臨床へと応用できるものと考えられる。よって、今後、本研究をキッカケにして、ごく微量の採血量でも食欲不振に陥ったウサギの予後を迅速に把握するために、既存のテストストリップの精度を「ウサギ用」に改良する製品開発が計画されることを期待している。

本研究では、フェレットの血清中BUN濃度についても検証されておりますので、ご興味のある方はリンク先をご参照下さい。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.256.4.449


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