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火傷を負った猫の心臓に起きる超音波学的変化を発見した研究

投稿者:武井 昭紘

本サイトにて時折、記事として紹介したことがあるが、アメリカのカリフォルニア州にある森林では火災が発生することが非常に多い。故に、この地域では、ヒトもさることながら、熱傷やケガを負ったりして被災する動物たちも数え切れず、その惨劇は、動物病院グループにペットの「無料」預かりを決断させ、熱傷に対する奇抜な治療法の開発にも至ってしまう程なのだ。そして、誠に残念ながらと言うべきか、また、新しい知見が誕生することになったようである。

なお、発表を行ったカリフォルニア大学によると、熱傷患者(ヒト)が受傷後に心臓病(Post-burn cardiac injury)を患うことに着目して、森林火災によって熱傷を負った猫50匹以上を対象に心エコー図検査を行ったところ、約35%の症例に心筋の肥厚、約30%に心筋組織のコントラストの変化が確認されたというのだ。

これを受け、同大学は、ヒトと同じく猫にもPost-burn cardiac injuryに類似した病態が生じるとし、その発生メカニズムの解明と治療法の確立に迫る更なる研究の実施が必要であると結論付けた。果たして、熱傷を負ったヒトあるいは猫の心臓には一体何が起きているのか。今後の研究の進展に期待したい。

80%以上の症例が熱傷から回復して、退院に漕ぎ着けたとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32060317


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