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14歳のメインクーンに起きた世界初の腫瘍性疾患

投稿者:武井 昭紘

「ジェントル・ジャイアント(穏やかな巨人)」
「世界最大の猫」
「世界で最もシッポが長い猫」
「世界で最もヒゲの長い猫」
「犬のような猫」

体重10kg、体長1mに達することもあるアメリカ原産で大型の長毛種メインクーンには、実に様々な称号や呼び名がある。そして、更に、彼らは明るく、愛情深い性格で、犬や赤ちゃんとも仲良しなれて、遊び好きだとも言われており、非常に「飼いたくなる」魅力に溢れた品種なのだ。

 

そのようなメインクーンに、少しだけ心に留めておくべき病気があることが報告された。

なお、報告を上げたバーモント州の動物病院らによると、半年にも渡る多食症と神経症状を主訴に来院した14歳の去勢オスを診察したところ、血液検査にて低血糖およびインスリン/グルコース比の上昇を呈していて、FNAにて膵臓に腫瘍細胞を認めるとともに、外科的に摘出された腫瘍組織の病理検査でインスリノーマが判明したとのことである。

 

同院らは、好発猫種とはされていないメインクーンにインスリノーマが発生した初めての例だと述べる。よって、もしも仮に、自宅で飼育しているメインクーンに、あるいは、診察を担当しているメインクーンに、本症例と類似した臨床症状が確認された場合には、インスリノーマを疑うことが望ましいと思われる。

今回紹介した症例のメインクーンは、手術後9ヶ月の間、寛解状態を保っているとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32110425


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