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ウェスティが致死的経過を辿る特発性肺線維症を治療するためのトライアル

投稿者:武井 昭紘

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、全身を白い被毛で覆われたスコットランド原産の小型犬で、「ウェスティ」という愛称もさることながら、体型の割に大きな頭にちょこんと乗った立ち耳が魅力的な品種として広く認識されている。そのためか、昨年は、ジャパンケネルクラブ調べの犬種別犬籍登録頭数にて、どうどうの第31位(全体で142犬種)にランクインする程の人気を誇っているというのだ。しかし、その光り輝く経歴の一方で、このウェスティには、有効な治療法もないままに致死的経過を辿る呼吸器疾患、いわゆる特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis、IPF)に罹患しやすいという影が付き纏っていることも、誠に残念ではあるが、よく知られてしまっているのである—–。

そこで、アメリカの大学らは、ヒトのIPFに有効なのではないかと注目を浴びている甲状腺ホルモン受容体作動薬ソベチローム(sobetirome)を、同じくIPFに苦しむウェスティたちに適応するトライアルを進めている。なお、当該薬剤は、ヒト由来の細胞やモデルマウスを用いた実験にて、その有効性が示唆されているとのことである。

上記ことから、このトライアルにてソベチロームの効能が立証されれば、ウェスティが発症するIPFに対する特効薬が誕生する期待が持てる。よって、今回紹介した大学らの取り組みが成功を収めることともに、IPFで亡くなるウェスティが1匹でも多く減っていくことを切に願っている。

ソベチロームは、ヒトの高コレステロール血症を治療する薬として開発されたとのことです。

 

参考ページ:

https://now.tufts.edu/articles/terriers-test-therapy-lung-disease


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