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ローダーの法律~イギリス国内の動物虐待事件に対する刑罰を大幅に強化するための法案

投稿者:武井 昭紘

2020年6月1日より、改正された動物の愛護および管理に関する法律(動物愛護法)が施行される。

その改正案の一部によると、第44条第1項における愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者に対する罰則が「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役又は500万円以下の罰金」へと大幅に引き上げられるというのだ。つまり、昨今の命を弄ぶかのような凄惨な動物虐待事件は、それ程に目に余るということなのだろう。そして、今年2月5日、この流れに乗るかの如く、動物福祉先進国イギリスの政府に、ある法案の提出された。

なお、それは、「Loder’s Law(ローダーの法律)」とも呼ばれる法案で、動物虐待事件を起こした容疑者に適応する最高刑を、懲役6ヶ月から5年に増やすというものだとのことである。刑期を引き上げる割合は、冒頭に記した日本のそれ(2年が5年になって2.5倍)と比べて、実に10倍となる計算だ。

 

この背景には、王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、RSPCA)に昨年寄せられた動物虐待に関する相談件数が13万件を超え、うち1600件以上に有罪判決が下ったことがあるとされる。

 

本サイトにて、度々、「しつこい」と思われるくらいに念を押しているのだが、動物たちにも、人間と同じように、命が宿っている。痛みも苦しみも悲しみも感じるのだ。よって、これ以上、動物虐待事件が起こらないように(少なくとも減るように)、Loder’s Lawが可決され、改正動物愛護法が強力な抑止力になることを切に願っている。

今回紹介した「刑期の引き上げ」は、70%の国民が支持しているとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/19113/MPs-back-animal-cruelty-sentencing-reforms


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