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里親が早く見付かるための鍵になる犬の容姿と撮影方法について解析した研究

投稿者:武井 昭紘

「里親募集」
「Adoption」

世界各地にて、オーナーがおらず保護施設に収容されている動物たちは、常に「冒頭のような状態」にあることは、読者の皆様もご存知のことと推察する。しかし、残念ながら、全ての保護動物に里親が決まるという夢にまで見る現実は、なかなかに訪れることはなく、里親を探し続けざるを得ない個体が存在しているのが現状である。これをイメージするにつけ、筆者も含めてと添えるが、多くの動物好きの方々は、『何か解決方法はないか?』と思考を巡らせるのではないだろうか—–。

 

そのような背景の中、シドニー大学は、一つの糸口となるような研究を発表した。なお、同大学によると、国内のシェルターに収容されている3犬種(文献をご参照下さい)、計8000匹以上のプロフィール写真をデータ解析し、里親が見つからず施設に滞在する期間(lengths of stay、LOS)の長さを調査したところ、耳をピンと立てた個体、自然豊かな屋外を背景に映った個体ではLOSが長くなり、口を閉じた個体、犬小屋を背景に映った個体ではLOSが短くなることが明らかになったとのことである。

上記のことから、第一段階として、犬の画像を用いて里親候補者を募集するシェルターでは、その画像を撮影するタイミングや場所の選定が、LOSを短縮する大きな鍵となっていることが窺える。よって、今回紹介した研究を基に、保護され里親を探す犬を撮影するコツが纏められ、ガイドライン化されることを願っている。

今後、犬種を限定することなく、雑種を含む全犬種を対象にして、同様の研究が進められることに期待しております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31963347


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