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主観性が強くなってしまう体型評価法BCSに客観性を持たせるための研究

投稿者:武井 昭紘

「BCS3」

自分自身が勤務する動物病院が保管するカルテの一つに誰かしらが、5段階または9段階によって評価される体型について、こうのように書いていた時、読者である獣医師・動物看護師は、どう感じるだろうか。無論、信頼できると応えるヒトも居れば、その誰かの主観が自分には合わないと思うヒトもおられるものと推察する。つまり、Body condition score (BCS)とは、残念ながら、動物病院スタッフ個々人で意見が分かれることがあり、再現性に乏しい体型評価法となってしまっているのである。

 

そのような背景の中、韓国の完州(ワンジュ)郡の農村振興庁が、BCSと相関する「客観的な」体型評価法について模索する研究を行った。なお、同研究では、20匹以上のビーグルの①胸囲および②腹囲の計測結果を基にして、①と②の差(③)、①と②の比率(④)が算出され、統計学的な解析が行われており、①~④の全ての項目がBCSと有意に相関していることが明らかとなったとのことである。

上記のことから、日常の診療にて正確な体型評価をするには、既存のBCSではなく、①②の測定、③④の算出が望ましいものと思われる。よって、今後、①~④を盛り込んで改編されたBCSが作成され、その有用性および再現性を検証する研究が進むことに期待している。

ビーグル以外の犬種でも、本研究の測定方法が利用できるかについて検証されていくことを願っております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31844547


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