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多頭飼育崩壊を防ぐ有効的な手段について改めて考えた研究

投稿者:武井 昭紘

多頭飼育崩壊とは、ペットを個人が世話するために必要な時間・スペース・費用の許容範囲を遥かに超えて、数えきれない程(50匹、100匹単位のことも)の犬や猫を同時に飼育し、近隣住民に異臭、騒音といった不利益を齎す「事件」のことで、オンラインニュースやテレビの報道番組を度々賑わしてしまう動物虐待行為である。故に、世界各地では、この多頭飼育崩壊を個人の問題、動物福祉上の問題としてではなく、地域の大きな社会問題として認識することが通例で、その解決方法を「研究」によって模索しなければならないとされている。

そのような背景の中、ノッティンガム大学らは、猫を多頭飼育している世帯(動物虐待を監視する機関に苦情が寄せられた世帯)を対象にして、猫の不妊手術の実施と対象世帯における生活環境の変化との間にある関連性について研究を行った。なお、同研究では、8週齢以上のメス猫全例に不妊手術が適応されるとともに、オーナーに向けたペット飼育・管理に関する教育とフォローアップ(全頭の手術完了から①2ヶ月後と②12ヶ月後に生活環境のチェック)が実施されている。すると、①②いずれのポイントでも、猫および世帯の福祉問題を評価するスコアが有意に改善し、且つ、30%の世帯で飼いきれない猫の里親募集の実現、40%の世帯で飼育頭数の減少が達成されたとのことである。

上記のことから、猫の不妊手術とペット飼育・管理に関する教育は、多頭飼育を続けるオーナーの意識を変え、「崩壊」を未然に防ぐ有効な手段だと考えられる。よって、本研究をキッカケにして、冒頭に記したような社会問題と向き合う専門機関(猫の飼育について啓蒙する部署)が、多頭飼育崩壊に頭を悩ませる各国に設置されることを願っている。

今回紹介した研究に参加した猫の総数は、10世帯で170匹以上であったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31796018


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