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多頭飼育崩壊を起こした家庭から保護された8ヶ月齢の子ウサギの里親を探す活動

投稿者:武井 昭紘

多頭飼育崩壊とは、一つのペット飼育世帯において動物の過剰な繁殖が進み、オーナーの世話が行き届かない程に母集団(飼育頭数)が増えた状況のことで、動物福祉の観点から、且つ、公衆衛生および騒音問題の観点から、文字通り、飼育現場が崩壊することを意味している。また、この現象は、本国での報道を見ている限り、猫を飼育している世帯で特に起こりやすく、猫のそれには及ばないが、時折、犬を飼育している世帯にても発生するといった傾向があるように思える。しかし、今回紹介するイギリスの事例は、犬でも猫でもない、それでいて一般的な、あるペットを飼育している世帯に生じてしまった多頭飼育崩壊であった—–。

 

なお、それは、ウェブページ上に事例を発表した王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals、RSPCA)によると、実に23匹もの「ウサギ」を飼育した後に崩壊した現場だとのことで、その集団の中には、アンゴラ種と呼ばれる長毛のウサギも含まれていたというのだ。ここで、猫の長毛腫をイメージして頂ければ想像に難くないと推察するが、長い被毛を有する動物は、ヒトがブラッシングしないと、全身至る所に毛玉が出来上がる。「やはり」と表現するべきか、崩壊現場からRSPCAが保護したアンゴラ種も例に漏れず、被毛が絡まり、マットのように固まっていたという。

 

多頭飼育崩壊のニュースに添付された画像に映る動物たちは、常に命懸けで私たちに大切なメッセージを訴えかけていると、筆者は感じている。

『飼い切れない数のペットを一度に飼ってはいけない』と。。。

 

本稿を通して、犬猫以外の動物が犠牲になった多頭飼育崩壊の存在を知って、皆様(多頭飼育崩壊した世帯の動物に去勢・不妊手術を行うかも知れない獣医師・動物看護師)は、どのようなメッセージを受け取っただろうか。この機会に、多頭飼育崩壊と真剣に向き合って、塾考して頂けると幸いである。

保護されたアンゴラ種のウサギは、Marsと名付けられ、ヒトに慣れるトレーニングを積みながら、里親を探しているとのことです。

 

参考ページ:

https://www.rspca.org.uk/local/walsall-branch/findapet/details/MARS/BSA2092528/rehome


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