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ナノレベルの解像度を誇るX線断層撮影法による変性性関節症の解析を目指す研究

投稿者:武井 昭紘

成犬の20%が罹患しているとされる変性性関節症(osteoarthritis、OA)は、遺伝、加齢、外傷などを原因として、四肢の関節に病変を形成し、慢性的な疼痛を発生する整形外科疾患である。そのため、当該疾患に関する(対する)疫学や発症メカニズムの解明、新たな治療法の確立は、ペットの高齢化が進む現代社会における獣医療を発展させる起爆剤になり得ると考えられるのだ。

そのような背景の中、2019年11月25日、王立獣医科大学らは「ある研究」を科学誌Nature Biomedical Engineeringに発表した。なお、同誌によると、加齢に伴ってOAを自然発症するマウスを用いて、関節の構造と機能(動き)を100ナノメートル単位で映し出す撮影技術を開発したとのことで、大学らは、今後、臨床上健康な関節とOAを患った関節の相違点を「細胞レベル」で解析し、より深く理解していくことに努めるというのである。

上記のことから、近い将来、この高解像度のX線断層撮影法から、マウスのOAに纏わる新しい知見が誕生するかも知れない。よって、今回紹介した研究が成功を収めることを願うとともに、その成果を基にして、臨床獣医師を驚かす程の、「犬のOA」に関するアップデートが大幅になされることを大いに期待している。

本研究で開発されたX線断層撮影法は、旧来の手法の1000倍の精度を誇るとのことです。

 

参考ページ:

https://www.nature.com/articles/s41551-019-0477-1


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