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総選挙を控えるイギリスのケネルクラブが提唱した犬の福祉を向上するためのマニフェスト

投稿者:武井 昭紘

現在、EU離脱で大きく揺れるイギリスは、11月6日に解散した下院の総選挙を12月12日に実施する予定であるとのことである。故に、おそらくは、今まさに、各政党が独自の政策を盛り込んだマニフェストを宣言し、票の獲得に躍起になっているものと推察できる。

と、このタイミングで、総選挙に向けた政党の活動に倣ってか、英国のケネルクラブもマニフェストを提唱したというニュースが飛び込んできた。なお、同クラブのホームページによると、それは、犬の福祉を向上させるための9つの重要課題に対するマニフェストのようで、「A Voice for Dogs」と名付けられ、以下に示す事項を含んでいるとのことである。

 

◆A Voice for Dogsに盛り込まれた9つの重要課題とマニフェスト◆
①犬の繁殖:許認可制のブリーダー資格の普及(悪質なブリーダーの排除)
②マイクロチップ:オーナーにとって利便性の高いサービスの付与
③散歩:ドッグランのようなノーリードでも安全な散歩・運動スペースの確保を自治体に要求する
④ショックカラー:無駄吠え防止首輪を用いて犬に電気ショックを加えることを禁止する
⑤動物虐待:虐待を行ったヒトに最大5年の懲役を科すための法整備
⑥大動物の保護:ノーリードの犬が大動物に攻撃を加える事件を減らすキャンペーンの展開
⑦攻撃性の強い犬への対処:危険な品種を指定するのではなく、危険な犬を育てる飼育環境を犬に提供するオーナーへの規制を作る
⑧花火:爆音に対する恐怖症状(音恐怖症)を呈する犬のための福祉対策
⑨旅行:悪質な動物販売業者を強力に規制しつつ、ペットライフを楽しむ個人的な旅行に自由を与える

 

上記のことから、犬の福祉向上を前向きに考え、実践する先進国と言えるイギリスでも、多くの課題を抱えていることが窺える。したがって、本稿を書いている時点、選挙の前日では、総選挙の結果は不明(英国の行く末は不透明)であるが、ケネルクラブのマニフェストが一つでも叶う方向に政治が動くことを願っている。

読者の皆様(獣医師・動物看護師)が、犬の福祉を向上するためにマニフェストを作るとしたら、どのような内容を盛り込むでしょうか?是非、お時間のある時に深慮してみて下さい。

 

参考ページ:

https://www.thekennelclub.org.uk/a-voice-for-dogs/


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