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シェルターで過ごす猫のストレスを軽減する方法に関する研究

投稿者:武井 昭紘

シェルターに保護された猫は、半ば強制的に変更される生活(飼育)環境に対して直ちに適応することは難しいとされており、大小の差こそあれ、ストレスを受けることが知られている。また、一方で、筆者または知人の飼育経験、インターネット、SNSから判断する限り、猫は、ある仕切られたスペースに自ら進んで収まり、夢中で遊び、熟睡するほどにリラックスしている姿を見せてくれることも、皆さまの広く知るところであると思う。

そのような背景の中、オランダのユトレヒト大学は、保護されシェルターに移動したばかりの猫を対象にして、隠れる場所の有無とストレス(スコアリングによる評価)の増減との関連性を解析する研究を行った。すると、体重の減少は抑えられなかったものの、コントロール群に比較して、隠れる場所の設置された飼育スペースで生活する猫は、環境に慣れてストレスが軽減されるまでの時間が大幅に短縮することが判明したとのことである。

上記のことから、新しい環境に移った猫のストレスを1日でも早く軽減するためには、ヒトの視線から逃れられる隠れ家のような場所を用意する必要があるものと思われる。よって、今回紹介した研究を基に、今後は、入院やホテルで動物病院に預けられる猫における同様の研究が進められることに期待している。

本研究では、隠れる場所の有無と、シェルターでの滞在日数または里親が見つかるまでの期間には、関連性が認められなかったとのことです。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31609987


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