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花火に苦しむヒトとペットのために動いたスーパーマーケットの販売停止

投稿者:武井 昭紘

①花火の販売は認可登録制である。
②18歳未満の花火(クラッカーを除く)の購入を禁止する。
③花火を違法に購入または使用すると最大6ヶ月の懲役または5,000ポンド(約70万円)の罰金。
④公共の場所で花火(線香花火を含む)を使用することを禁止する。
⑤特別な日を除き23時〜翌7時まで間は花火を使用することを禁止する。

 

これは、今、EU離脱に揺れるイギリスの政府が制定した法律である。その背景には、夜中でも目の前が昼間のように明るく輝くくらいの強い光と、弱い地震が起きたかと間違えるほどに鳴り響く爆音を併せ持つ花火に精神的に追い込まれ、怯えるヒトと動物たちの存在があると言われる。加えて、それを裏付けるように、英国では花火の販売規制を訴える嘆願書に30万人以上が署名したとされ、世界では犬猫の音(花火)恐怖症に関する研究も実施され、花火の最盛期である「冬」を迎える前の秋頃に、獣医師会(BVA)が花火と恐怖症に関する注意喚起を強めているのだ。

そして、これらの「流れ」に追随するかのように、イギリスにて大規模な事業展開をしている大手スーパーマーケット(Sainsbury’s)が、2019年より花火を販売することを取り止めることを発表した。なお、報道を行ったBBCニュースによると、国内にある2300件の店舗の殆どで花火の販売停止を実施するとのことである。

上記のことから、イギリスは、花火の楽しさを第一に考えるよりも、ヒトや動物の精神衛生を重要視する社会へと変わりつつあるものと思われる。また、この姿勢が、花火を禁止している公園・河川敷で、周辺住民(おそらくペットも)の迷惑を顧ずに花火に興じるヒトが目立つ日本にも浸透して欲しいと、筆者は切に願っている。

BVAは、ツイッター上で、今回紹介したSainsbury’sの決断を動物福祉の観点から称賛しています。

 

参考ページ:

https://www.bbc.com/news/amp/business-50094658


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