ニュース

英国内で増え続けている短頭種の登録件数における2019年上半期の動向

投稿者:武井 昭紘

2018年から遡ること10年。この時期は、イギリス国内で、「異様」とも思える程に短頭種の登録件数が急増したタイミングであり、その数値は、パグおよびブルドッグでは統計当初の2倍以上、フレンチ・ブルドッグでは実に「35倍」以上にも達したというのだ。だからこそ、必然的と言うべきか、英国での当該犬種に対するネグレクト(飼育放棄)が爆発的に増加し、保護件数が右肩上がりとなってしまったと考えられている。そして、イギリス獣医師会(BVA)をはじめとする動物関連団体が、短頭種をExtreme Breedingに指定し、短頭種を使った広告の制限を訴え、短頭種が主役のディズニー映画に懸念を示すまでに至った—–。

 

と、ここまでの経緯を聞けば、短頭種の未来は明るくないと思う読書の皆様も多いと察するが、今年に入り、一連の事態が収束するかも知れない兆しを期待させるデータが公開された。なお、発表を行ったケネルクラブ(英)によると、2019年上半期におけるパグ、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグの登録件数が、前年の同期間と比較して、それぞれ31%、7%、8%減少したとのことである。

 

仮定の話にはなるが、2019年下半期も、上半期に続く変動を示せば、「過熱」と表現できる短頭種への爆発的な人気は落ち着き始めていると判断できるだろう。よって、今回紹介した統計データを契機にして、イギリスにおける短頭種のブームが終わり、短頭種の全て(罹りやすい疾患への理解を含む)を心から愛するヒトのもとで、ネグレクトに悩まされることなく、彼らが幸せな生涯を送れることを切に願っている。

短頭種の代わりになるかのように登録件数を増やしたのは、ダックスフントであったとのことです。

 

参考ページ:

https://mrcvs.co.uk/en/news/18744/New-figures-show-fall-in-popularity-of-pugs,-bulldogs-and-French-bulldogs


コメントする