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Smiling Blue Skies Barrie Walk for Canine Cancer~癌を患った犬とオーナーの思い出作りを願った慈善活動~

投稿者:武井 昭紘

「長年を連れ添った家族の一員である愛犬が、癌を患っている」

 

このような事実を知ったオーナーの多くが大変に悲しみ、落胆し、絶望することを、獣医師として傍で診てきた。そして、一体、その感情の如何ほどを私は理解できているのか自信はないが、オーナーと家族(愛犬)を支え、励まし、救いたいと、常々、切に願うのだ。しかし、残念ながら、現代の医療・獣医療の限界とも言うべきか、全ての症例を思いのままに助けることが出来ないという厳しい現実が立ちはだかることも珍しくないのである。

だが、それでもなお、愛犬を失ったオーナーを支え、励ましたいと、私は思う—–。

 

どうやら、この気持ち、海外の大学に所属する獣医師にも共通していることのようだ。

 

「Smiling Blue Skies Barrie Walk for Canine Cancer」

9月29日(日)、カナダのオンタリオ獣医科大学(Ontario Veterinary College、OVC)の運営するPet Trust財団が設立したSmiling Blue Skies®という組織が、癌を抱える(将来的に抱えるかも知れない)犬とオーナーに楽しい思い出を作ってもらうために、オンタリオ州バリーでウォークイベントを開催した。参加費は50ドルから。集められた資金は、担癌犬をサポートする活動へと充てられるという。

 

加えて、同組織は、参加者に伝える。
『青い空のもと、一緒に笑顔で過ごしたことを決して忘れないで欲しい』と。

 

ヒトと犬が生活を共にする以上、ヒトよりも犬が先に天寿を全し、病気を罹って亡くなってしまうことは避けられないことではあるが、おそらく、OVCおよびSmiling Blue Skies®は、このイベントを通して、愛犬との楽しかった日々を胸に、「笑顔で家族のことを思い出して生きていきましょう」と訴えかけているのだと推察する。

よって、もし、仮に、日本で小動物臨床に携わる獣医師・動物看護師の中に、OVCらの理念に賛同できる方々がおられるのであれば、Smiling Blue Skies Barrie Walk for Canine Cancerをモデルにして、愛犬とオーナーが笑い合え、且つ、病気に苦しむ動物たちを援助する慈善活動を計画・実行してみると、本国で生活する多くの動物たちと人々が救われるのかも知れない。

(画像はイメージです)
今回紹介したイベントでは、合計6500ドル(約70万円)が集まったとのことです。

 

参考ページ:

www.smilingblueskies.com/walk-to-end-canine-cancer-2019-barrie/


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