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Golden Retriever Lifetime Studyから判明した犬の繁殖能力と遺伝子に関する一つの事実

投稿者:武井 昭紘

現在、ゴールデン・レトリバーが生を受けてから亡くなるまでに、どんなライフイベントを経験し、どんな病気を発症リスクがあり、種の保存と動物福祉にどんな問題を抱えているのかについて詳細にデータ化するために、彼らの一生涯を追跡する「Golden Retriever Lifetime Study」という長期的な研究が行われており、これからの未来に生まれてくるゴールデン・レトリバー全頭が幸せなペットライフを過ごせる社会が実現することが期待されている。そして、2019年6月、同研究が「一つの成果」を発表した。それは、あらゆる動物種で言われている繁殖能力と遺伝子に関する「ある事実」または「仮説」であった—–。

 

なお、同発表を報告したコーネル大学によると、Golden Retriever Lifetime Studyに参加しており、不妊手術を受けていないメス90匹以上を対象にして、①近親交配レベル(血液サンプルからDNAを抽出して算出)および②産仔数の関連性を数値化して解析したところ、①が高まるほど②が減少する、つまり、①と②が負の相関関係にあることが判明したとのことである。

上記のことから、近親交配が進むと(血が濃くなると)、メスのゴールデン・レトリバーの繁殖能力が低下していくことが窺える。よって、活発で、優しく、フレンドリーな性格を有する可愛らしい大型犬、ゴールデン・レトリバーが、半永久的に世界中の人々を魅了し続けるように種として繁栄していくために、今回紹介した研究を良い契機にして、彼らのブリーディング計画が見直されることに期待している。

Golden Retriever Lifetime Studyから、今後も、近親交配のリスクが一つ、また一つと明文化され、ゴールデン・レトリーバーの繁殖計画が最適化されていくことを願っています。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31115595


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