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Puppy Awareness Week~夏の終わりに「子犬を買って飼うこと」を真剣に考える~

投稿者:武井 昭紘

残暑の厳しさを肌で実感する日が続く8月の終わり。この夏から秋に変わりそうで変わらない季節は、犬の福祉向上という課題に真剣に向き合う組織・企業にとって、非常に大切な時期のようである。

 

「Puppy Awareness Week」

2019年は、今まさにであるが、8月26日から9月1日までの1週間が、これに指定されており、『子犬について勉強し、より一層の関心を持って、大切な家族を増やす慎重な決断をしましょう』という願いにも似た啓蒙活動が世界各地で盛んに行われている。そこで、本稿では、イギリスのケネルクラブの事例を代表に挙げて、「子犬を買う・飼うこと」に対するオーナーの意識と改善点について紹介したいと思う。

なお、同クラブがPuppy Awareness Weekに合わせて公開したウェブページには、子犬を購入した経験を持つオーナーに協力を得て実施された意識調査の結果が以下のように纏められている。
(何れかの項目に心当たりがあるならば、子犬またはオーナー、あるいは、両者が不幸になってしまう可能性があるとのこと)

 

◆子犬を購入した経験を持つオーナーの実態◆
①Who?:20%のヒトが子犬の母親を見ずに(または母親ではない犬と子犬が一緒に居る所を見て)購入している
②Where?:27%のヒトが子犬の育った環境を見ずに購入している
③What?:70%以上のヒトが売買契約書や子犬の両親の健康証明書を見ずに購入している
④When?:35%のヒトが子犬と対面しないまま(あるいは最初の対面で)購入している
➄Why?70%以上のヒトが子犬と自分の相性(変える環境を用意できるか否かを含む)を考えずに購入している

 

イギリスケネルクラブが提供しているデータを目の当たりにして、驚き、言葉も出ない読者もいるかも知れないが、これが現実である。しかし、これらの数値を見て、筆者は感嘆するばかりではないとも思っている。つまり、前述した統計は、自分が子犬を飼おう(買おう)としている場合、その子は、どんな母親が生んで(Who)、どこで育って(Where)きたのかを知り、自信のライフスタイルに合っているか否か(Why)を慎重に確かめて、どんな条件(What)で、いつ購入する決断(When)をしようかと考えることが、愛犬とのペットライフを幸せに導く大きな鍵だと教えてくれていると捉えることができるのである。

皆様は、イギリスケネルクラブの発表に、何を感じるだろうか。Puppy Awareness Weekをキッカケに、僅かな時間であっても、子犬の未来を向き合って頂けると幸いだ。

イギリスケネルクラブは、同会が承認していないブリーダーから犬を購入すると、ペットの一生涯に掛かる医療費が約20%アップするとも述べています。

 

参考ページ:

https://www.thekennelclub.org.uk/our-resources/kennel-club-campaigns/puppy-farming/puppy-awareness-week/


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