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北米で生活する1900万匹もの猫の体重変化を統計学的に解析した研究

投稿者:武井 昭紘

『猫は、いつまで成長しますか?』

 

殆どの獣医師が、この質問と対峙したことがあるだろう。そして、おそらくは、個々人の経験や学び得たことを基に、「生後6ヶ月前後まで」、「1歳を迎えるまで」などと、オーナーに回答するのではないだろうか。しかし、2019年7月、カナダのオンタリオ獣医科大学が発表したスーパービッグデータの統計学的解析が、前述した目安を覆すかのような新しい見解を示した。

なお、それによると、北米の動物病院に訪れた猫、約1900万匹(30年間に相当する例数)を対象にして、生涯に渡る体重変化を追跡した結果、猫の体重は平均で8歳になるまで増加し続けてピークを迎え、その後、減少していくことが明らかになったとのことであり、これを受け、同大学は、「猫は性成熟後も暫く成長を続ける生き物である」という結論を導き出している。

 

果たして—–。

私たち動物医療関係者が知っている獣医学が捉えている「猫」とは、彼らの「本当の姿」を映し出しているのだろうか。きっと、オンタリオ獣医科大学の本研究は、そんな問題提起を世界へ向けて発信しているのかも知れない。

今回紹介した研究において、母集団の50%以上を占める約990万匹の猫では、記録された体重が一つしかなかったことも確認されており、猫のオーナーは動物病院を中々訪れないという事実も判明したとのことです。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.255.2.205


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