気管支パターン。
肺胞パターン。
間質パターン。
そして、3者が入り混じった混合パターン。
肺のX線検査には、この「○○パターン」が付き物であると言って過言ではない。故に、獣医学部生と臨床で活躍する獣医師の皆様は、あらゆる参考文献にて、それぞれの相違点が詳細に記載されているのを幾度と無く目にしたのではないだろうか—–。
しかし、、、
率直に言うと、分かりづらいのである。様々な資料を読み込んで、いざ、臨床現場にて活用しようとなると、やはり、今診察している症例は、各パターンの何れに該当するか迷いに迷うのだ。
「この肺のX線検査の難しさを解決する術はないものか?」
ここに一つの回答を示してくれた研究がある。
なお、研究を発表した韓国の大学らによると、250匹以上の犬、60匹以上の猫から得られた1200枚にも昇る胸部X線画像を、8種類のテクスチャ解析を用いて44のパラメーター(数値)に置き換えたところ、90%を超える確率で各パターンを区別することに成功したとのことである。
上記のことから、今回紹介した研究手法がアプリケーション化されれば、大学、研究機関、小動物臨床の全てのフィールドにおいて、肺のX線検査を学び、分析し、医療へと応用できるデジタル獣医学が完成すると思われる。よって、今後、更なる研究が進み、肺野パターンの判別精度が向上し、胸部X線画像自動解析システムが製品化されることに期待したい。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/31364328/