ニュース

抗「てんかん」薬として開発された薬剤イメピトインの小動物臨床への応用

投稿者:武井 昭紘

◆イメピトイン(imepitoin)とは◆
犬の「てんかん」を治療するために開発されたベンゾジアゼピン受容体アンタゴニストで、今後、世界の小動物臨床へと普及していくかも知れない薬剤である。ところが、2018年○月、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、イメピトインに、ある新しい役割を担ってもらうように、以下の通り承認をしたと発表した。

 

「音恐怖症治療薬」

なお、FDAによると、花火の破裂音に恐怖や不安を抱える犬に、大晦日に予定されている花火大会が始まる2日前から1日2回、イメピトイン(商品名:Pexion)を投与すると、犬の行動評価スケールで認識できる程に、音恐怖症に関連した症状が軽減されたとのことである。

上記のことから、「てんかん」を治療する目的で製品化されたイメピトインは、当初の用途とは幾ばくか異なる音恐怖症に対する治療薬として有用であることが示唆されたものと思う。よって、早い段階で、副作用(運動失調、食欲増進、嗜眠、嘔吐)の頻度と対処方法が、用法・用量とともにガイドライン化され、音恐怖症で苦しむ犬が、心安らかな時を過ごせる未来が訪れることに期待している。

FDA曰く、旧正月に開催された花火大会では、Pexionを投与を受けた犬の7割近くが、不安・恐怖から解放されたとの研究結果もあるとのことです。

 

参考ページ:

https://www.fda.gov/animal-veterinary/cvm-updates/fda-approves-pexion-treating-noise-aversion-dogs


コメントする