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スコットランドの動物虐待防止協会がRAW2019に併せて訴えるウサギの里親募集

投稿者:武井 昭紘

現在、35人に1人がウサギを飼育しているとされるイギリスにおいて、6月の一部を切り取った9日間がRabbit Awareness Week(RAW)に設定されており、2017年は無料健診サービス、2018年は食餌管理、2019年はウサギウイルス性出血病2(RVHD2)の脅威と予防法など、実に多岐に渡るテーマを広く一般に啓蒙する活動が行われている。しかし、イングランド北部に位置するスコットランドの動物虐待防止協会(Scottish Society for the Prevention of Cruelty to Animals、Scottish SPCA)によると、前述のように英国の生活に密着したウサギの一部は「不適切な飼育環境」の下で日々を過ごしていて、それを理由に某アニマルシェルターによって2019年上半期に保護されたウサギは373匹にも昇り、昨年の同時期に保護された268匹を実に39%も上回ってしまったとのことである。

そして、この事態を更に悪化させることを暗示するかの如く、今年の1月~6月までのウサギの購入件数が、昨年比で40%増となってしまった—–。

この事態を受け、Scottish SPCAはウェブサイトを通じて、ウサギを「新しく買う」ことよりも先に検討して欲しい保護ウサギのリホーミング(里親募集)の重要性・緊急性を訴えかけており、室外で餌と水だけを与える「孤立した」飼育ではなく、室内で「家族の一員」としてスキンシップを図ってくれるオーナーを探している。

上記のことから、犬猫と同様にウサギの里親募集を行う制度やシステムの構築は、イギリスのペット社会における急務の課題と言える。よって、今正に進行中のRabbit Awareness Week(RAW)および今回紹介したScottish SPCAの訴求を良い契機として、愛の溢れる家庭で過ごすウサギが増えることを切に願っている。

ウサギの飼育環境の改善には、獣医師からオーナーへの啓蒙活動も重要であると思いますので、Scottish SPCAのリホーミング活動に動物病院が加わることを期待しております。

 

参考ページ:

https://www.scottishspca.org/newsroom/latest-news/scottish-spca-urge-scots-to-consider-rehoming-after-40-increase-in-rabbits-in-their-care/


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