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愛猫に与える自家製フードのレシピを栄養学的に解析した統計データ

投稿者:武井 昭紘

一般家庭で飼育されているペットの食餌または体重管理には、オーナーの考えや食生活が大きな影響を及ぼすことが研究でも示されており、科学的に動物達の健康を維持する上でも、今後の獣医療の発展および動物福祉の向上を目指す上でも、彼らの「飼育への向き合い方」を詳細に解析することは、大変に重要な動物栄養学の一分野であると考えられている。

そのような背景の中、カリフォルニア大学は、オーナーが愛猫のために用意する自家製フードの栄養素に着目して、その合理性を検証する研究を行った。なお、同研究では、書籍やネットにて確認できる100件を超える自家製フードのレシピと、全米研究評議会(National Research Council、NRC)が提唱する成猫の必須栄養素が比較されており、以下の結果が得られたとのことである。

◆自家製フードのレシピの合理性◆
・獣医師が監修していないレシピは、全て基準を満たしていない
・約17%のレシピは、栄養素の解析ができる情報の開示がなされていない
・解析されたレシピの約99%は、調理工程の一部を「想像して」作らなければならない内容であった

上記のことから、公開されているレシピに基づいた自家製フードは、家庭猫の食餌管理に適していない可能性が疑われる。よって、今後、この研究を契機として、当該フードに起因した疾患についても調査が実施され、「自家製」のリスクが明文化されることを期待している。

今回紹介した研究が進展を遂げ、NRCの指標を満たす自家製フードの作り方がガイドライン化されれば、既製品を避けたいオーナーの希望を叶えつつ、愛猫の健康も守れるかも知れません。

 

参考ページ:

https://avmajournals.avma.org/doi/abs/10.2460/javma.254.10.1172


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