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Human-Animal Bond Certificationを初めて取得した動物医薬品メーカーZoetis

投稿者:武井 昭紘

近年、日本でもペットを家族の一員として迎える世帯が増加しているとともに、世界各地にて、ヒトと動物の健康を「共に」維持する目的で推進される予防医療としてのOne Health、加えて、両者に共通する疾患の研究から「共有できる」治療法の開発を目指すOne Medicineという概念が、医学および獣医学に浸透しつつある。つまり、ヒトと動物(ペット)の非常に密接で切っても切れない強固な関係性に、今、注目が集まっているのだ。

そのような背景を基にして、ヒトと動物の絆を研究するHuman-Animal Bond Research Institute(HABRI)とフロリダ州に拠点を置く非営利団体であるNorth American Veterinary Community (NAVC)は、冒頭の関係性と真摯に向き合って獣医療の発展と動物福祉の向上に寄与する動物医療関係者および企業を対象に、Human-Animal Bond Certificationという認定制度を2018年に設立した。

そして、2019年5月、HABRIは、本国の動物医療業界でも馴染み深い製薬会社であるZoetis社が、企業として初めて同認定制度の承認を取得したことを発表した。

これを契機に、且つ、世界各地で問題となっている動物虐待、飼育放棄、感染症の蔓延を鑑みると、おそらく、近い未来の社会では、「ヒトと動物の絆」を考えた企業活動の重要性が認知され、普及していくものと思われる。よって、今後、Human-Animal Bond Certificationが、日本の動物病院および動物関連企業(ペット販売業、ペット取扱業を含む)にも広まり、不遇を味わう動物を減らし、病気で苦しむヒトや動物を救う原動力となることを願っている。

ヒトとペットの繋がりを詳しく学びたい方は、是非、HABRIが作成に関わった「The Pet Effect」というサイトを閲覧して頂けますと幸いです。

 

参考ページ:

https://habri.org/pressroom/20190501


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