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アメリカ獣医師会がウェブ上に提唱しているペットオーナーへのアドバイス

投稿者:武井 昭紘

多くの動物病院は、主に、一般家庭で飼育されているペットを診療対象としている。

しかし、実際、小動物臨床では、獣医師とペットが直接やり取りを行うだけで診察が完結することはなく、両者の間に必ずオーナーの存在があることは、紛れもない事実ではないだろうか。つまり、言い換えると、ペットの命を守るためには、動物病院スタッフとオーナーの円滑な意志疎通が大変に重要であり、獣医師は、それに必要な様々なコミュニケーションスキルを体得することを求められると考えられるのだ。

 

だが、アメリカ獣医師会(AVMA)は、「動物病院への訪問をより良いものにする」をテーマにして、獣医師ではなく、敢えて、オーナーへ向けて10ヶ条を以下のように提唱している。

◆獣医師・オーナー・ペット皆にとってより良い動物病院の訪問をする10ヶ条◆
1.動物病院に来院する時に車を使うならば、ペットと運転する家族が同乗して普段から車移動に慣れる
2.転院する場合は、以前通っていた動物病院から診療記録のコピーをもらう
3.ペットの治療歴および現在服用している薬の使用状況が分かる書類やメモを持参する
4.ペットの様態を詳細に把握しているヒトがペットを動物病院に連れて行く(ペットのことに関心の無い家族に頼まない)
5.予約時間の数分前には動物病院に到着する(日本では俗に5分前行動と言われる)
6.動物病院内で子供が大人しく出来ないのであれば、子供と一緒に来院しない
7.診察室では携帯の電源を切る
8.一番近くでペットを見てきたオーナーとしての意見や不安を獣医師に明確に伝える
9.分からないことは理解できるまで獣医師に質問する
10.獣医師の指示に従って行動する

 

おそらく、上記の提唱を通して、同獣医師会は、動物医療はオーナーの協力なくしては成立しないことを訴えたいのだと思われる。よって、この呼び掛けを契機として、日本のペットオーナーにも10ヶ条が浸透していくことを期待している。

ペットの命を守るためにも、獣医師とオーナーが相互に向き合って、支え合う意識を持った社会が実現することを切に願っております。

 

参考ページ:

https://www.avma.org/public/YourVet/Pages/visits.aspx


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