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RVC Life TIME Canine Epilepsy Study~食餌管理の面から「てんかん」を見つめる研究~

投稿者:武井 昭紘

犬の「てんかん」は、確定に至る根拠の無い仮診断も含めると、一次診療施設で頻繁に遭遇する病気で、「抗てんかん薬」と称される数々の薬剤による内科療法が治療の根幹を成している神経系疾患であると言える。しかし、一方で、イギリスの王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)の研究によれば、中鎖トリグリセリド(medium-chain triglycerides、MCT)の投与によって、「てんかん」に関連した症状の発現を抑えることができるとのデータも存在しており、未だ、当該疾患の治療法は完全に確立し、統一され、普及しているとは捉えることが出来ない状況であると思われる。

そのような背景の中、RVCは、現在、RVC Life TIME Canine Epilepsy Studyと呼ばれる臨床試験を進めている。なお、同大学によると、この研究は、犬の「てんかん」における長期的な食餌療法の効果を明らかにすることを目的としており、神経症状の有無を日記式に記録して、1年間に渡って指定されたフードを給与できる罹患犬の参加を募っているとのことである。また、ウェブページ上の条件のクリアおよびアンケートの記入を経て選ばれた犬は、無料にて臨床検査全般、MRI検査(脳)、食餌療法が受けられるということも公開されている。

上記のことから、RVCによる犬の「てんかん」に関する研究は、着々と前進しているように思える。よって、RVC Life TIME Canine Epilepsy Studyが一定の成果を上げ、将来的に、「てんかん」が、投薬に依存することなく、食餌で治せる病気として世界中で認知されることを期待している。

ツイッターアカウントには、2019年5月1日付けで、RVC Life TIME Canine Epilepsy Studyの第一号となった犬が紹介されております。

 

参考ページ:https://www.surveymonkey.co.uk/r/LifeTIMEtrial

参考ツイッターアカウント:@RoyalVetCollege


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